【完】彼を振り向かせる方法





さっそく文庫本のコーナーへ行って本を手にとる先輩。



やっぱり本好きなんだなぁ…。




実は前から私の中で、先輩が好きなものは読書っていうイメージが勝手に定着してたんだ。



電車待ちしてるときとかたまに読んでたから。



私も先輩の横で適当に選んだ本を手に取ってみる。






……そしてそのまま、15分が経過した。


「……」



その間、ずっと黙りっぱなしの私たち。


もしかして先輩……本読むのに夢中で私のことなんて見えてない……?


物語にのめり込んで、立ち読みに徹する彼を覗き込む。


目で追っているのは羅列した文字とページをめくる彼自身の手のみって感じが……。



「せーんぱーい…」



静まった空間で小さな声をだす私。


もう一度、先輩の顔を覗いてみるけど全く反応はなし。



…もう……せっかくのデートなんだし、少しくらい私のこと見てくださいよ。



カケちゃんだって、今日のために一緒に洋服選んだりしてくれたのに。



< 101 / 401 >

この作品をシェア

pagetop