【完】彼を振り向かせる方法
ツー、ツー……。
虚しい機会音が耳元で響く。
怒ることすらできないなんて、ほんとに情けないな、私って。
ショッピングセンターの中を行く当てもなく一人で歩く。
もう……帰ろう。
そう思った瞬間、鞄の中でケータイのバイブがなったんだ。
メール……カケちゃんだ。
『おーおー、それならよかった!俺の選んだワンピ正解だったでしょ?んじゃ、デート楽しんで』
そーだ私、『うまくいってる』ってメールしたんだ。
「……っ」
その瞬間何かが胸の奥でこみ上げてきて、気づいたらカケちゃんのケータイへの発信ボタンを押していた。