【完】彼を振り向かせる方法
え……。
思わず目線をカケちゃんの方に向けると、パチッと目があってしまった。
すぐに逸らしたけど、カケちゃん……ちょっと顔が赤かった。
きっと私を励ますために言ってくれたんだろうけど……慣れてない分、照れてしまう。
それに加えて、ドキドキも。
でもなんで、言い慣れてそうなカケちゃんまで顔が赤いんだろ……。
「ヒロチーと先輩って、どこで出会ったの?」
そんなことを一人で考えていると、カケちゃんは横で首を傾げていた。
「……コンビニ、かな」
「コンビニ?」
「そう。先輩はレジの担当でね、私がお客だったの」
あの頃のことを思い出しながら、ゆっくりと話していく。
「私が中3で、先輩は高1。アルバイトの店員さん…雛水先輩に、一目惚れしちゃったんだ、私」