【完】彼を振り向かせる方法





着ているのはただのコンビニの制服のはずなのに、彼のすべてがキラキラして見えた。



そしてその日から、私はそのコンビニの常連になったんだ。



「先輩がシフトに入ってる時間とか、今でも覚えてるよ。気持ち悪いよね、なんか……」



あのときの自分を思い出すと、思わず苦笑いしてしまう。



「そんなことないっしょ。だって、そんな風に真っ直ぐなヒロチーに、先輩は惚れたんだろ?」



「……どうなのかな…。今思うと、私の押しに負けて仕方なく付き合ったのかもしれない」




先輩がバイトを辞めるって風の噂で聞いたその日、私は告白しようと決意したんだ。



だって、唯一会える場所がなくなってしまうんだから。



『雛水さん、私ずっとずっと……好きでした』


先輩がバイトを終える時間まで外で待っていた私。

そう伝えると先輩は優しく笑って、私をゆっくりと抱きしめてくれた。



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