【完】彼を振り向かせる方法





「だから少し……素っ気なくしてみるのも手だよ」



「……うん」



私に、そんなこと出来るのかな……。


不安が募って思わず唇を噛みしめると、頭の上にポンッとカケちゃんの手が置かれていた。



「えっ……」



「怖いか?」




オレンジ色の夕日に照らされた彼の顔が、私の目を覗き込む。



不意にそんな優しい顔をされて、私は胸の奥が熱くなるのを感じた。




「大丈夫……俺の言ったこと、ちょっと信じてみてよ。それでも不安なら、無理して言わなくたって、

そのときはまた他に方法考えりゃいいし、な?」




まただ……。


この笑顔をみると、やっぱり落ち着く。



「ううん、大丈夫。私……頑張る」



そういうと、カケちゃんは頭を優しく撫でてくれた。




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