【完】彼を振り向かせる方法
なんだか、このままずっと頭を撫でていて欲しいような……。
そんな風に思えるほど、カケちゃんの温もりはあったかくて、優しさが心にしみた。
「ヒロチー、今日頑張ったんだろ?」
「え?」
頭をに手をおいたまま、落ち着いたトーンでカケちゃんはそんなことを聞いてきた。
「慣れないヒール履いてオシャレしたり、先輩と話す話題作ったり、ホラー我慢してみたり……すげぇよな、ほんと」
「は、はは……てゆーか慣れてないってバレてたんだ」
「うん、思いっきり靴擦れしてる」
え、ほんとに?
その言葉につられて足元に目線を向けると、足の両サイドが赤くなっていて、おまけに皮までむけそうになっていた。
全然気づかなかったのに、わかった途端痛くなるんだよね、こうゆうのって……。