【完】彼を振り向かせる方法
「ふふっ、なんかカケちゃんの家って楽しそうだなぁ」
またまたつられて笑って見せると、カケちゃんもニッと歯をだした。
「おぅ、まぁ家族の仲は結構いい感じかも」
「やっぱり……兄弟はいるの?」
「ん、弟が3人と神的に可愛い妹が1人と、生意気な妹が1人」
「だ、大家族じゃないですかオタク」
「そうなのよ〜、ってなんで主婦語?」
また、二人で顔を見合わせて笑う。
あれ……いつの間にか、溢れそうだった涙もどっかいっちゃってるし。
「ヒロチーの方は?兄弟」
「私は意地悪なお姉ちゃんが1人……あ、でも今日この靴貸してくれたんだよ」
「優しいじゃん、普通に。意地悪なの?」
「意地悪ってゆうか、どS……。私のことからかうのを生き甲斐にしてるオーラ漂ってるもん」
「まぁ、ヒロチーおもしろいしなぁ、お姉ちゃんの気持ちもわからんでもない」
カケちゃんはそう言って、いたずらっぽく、今度は少年みたいに笑った。