【完】彼を振り向かせる方法




そんな私を見るなり、ちょっとだけ首を傾げて手を退けるカケちゃん。



ふぅ……よかった。


男の子に触られるのって、すごく緊張するんだって、改めて知らされたような気がした。




「……ヒロチー、ちょっとそこで待っといて」


なんて私が呑気に考えていると、彼はそう言ってスッと私の前から姿を消し、公園の入り口に向かって走っていた。




「お、え⁉︎カケちゃん⁉︎」



「すぐ戻ってくるから!」



大きな声でそう返された数秒後には、カケちゃんは私の目で追える範囲を超えて、どこかに行ってしまっていた。




どこにいっちゃったの……?



仕方なくさっきまで座っていたベンチにもう一度腰掛ける。



あれ……今この公園にいるのってもしかして、


私だけ?


「うっ……」



閑散とした公園の周りを見渡して、思わず身震いしてしまう。



「は、早く帰ってきてよぉ……」



< 140 / 401 >

この作品をシェア

pagetop