【完】彼を振り向かせる方法
……でも、今はなんかちょっと
「急に、いなくなんないでよ……」
「ん……ごめん」
困らせたい……かも。
「カケちゃんのバカ……」
「え?あ、うん……ごめん」
「バカバカバカッ」
「ぷっ……子供みてぇ」
その瞬間、彼の肩から振動を感じた。
あれ……。
ちょっと困らせるつもりだったのに、笑ってる?
「でもほんと、ごめんね。ヒロチーが怖がりなの知ってたのに、気付けなくて」
「……っ」
低く優しい声のトーンが、耳元をくすぐるのと同時、
カケちゃんの手が宥めるように私の頭をポンポンと撫でた。
そのおかげで、私の額がカケちゃんの肩にいままで以上にひっついてしまう。
よくよく考えたら、私……すっごく恥ずかしいことしてたんだっけ……。