【完】彼を振り向かせる方法
カァァァ……。
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。
自虐してどうすんのさ……。
「別に俺は平気だけど……」
「……え」
「けどデリカシーなさすぎた、ごめん」
「カケちゃん……」
柔らかい笑顔。
カケちゃんのいまの表情には、そんな言葉がピッタリだと思った。
優しすぎる……。
「私こそ……ごめんなさい」
「全然いいって。それよりコレ、貼ってみな?たぶんさっきより歩きやすくなると思うよ」
そう言って彼が差し出したのは、"BAND-AID"とかかれた小さな箱。
……もしかして
「私のために、絆創膏買ってきてくれたの……?」
「完全には治らないかもだけど、家帰るまではないよかマシだろ?」
どうしよう……なんか変だよ。
胸のあたりがすごく熱い。
おまけに、目の辺りも。
何か色々、こみ上げてきてしまう。