【完】彼を振り向かせる方法
*親友からの警鐘
「いいかー?飽くまでも来週の合宿は勉強合宿だ。ハメを外すなよ?特にそこ、大地翔」
ビクッ……
「フルやん先生、なんで俺だけ?」
「お前が一番危ないからだ」
な、なんで私が反応してるんだよ……。
あの日、カケちゃんに唇を塞がれてから、はや一ヶ月。
期末テストも無事終わり、明日から夏休み。
そして、一週間後には毎年恒例らしい一年生の勉強合宿。
先生はあんな風に言っているけど"勉強"というのは名前だけで、
ほとんど親睦会のようなものだと、先輩たちが言っていた。
そしていまは、来週の合宿に向けての事前指導のホームルーム中。
それで……私はあれから一ヶ月経ったいまでも、あのときの出来事が脳裏から離れずにいる。
いきなり、ほんといきなり……
『サンキュ』
って言葉が聞こえたのとほぼ同時に、カケちゃんの顔が急接近してきて、
それで……それで……キスをされたんだ。