【完】彼を振り向かせる方法
他のグループのところで盛り上がっている彼を、そっと垣間見る。
パチッ……
う……っ!
目が不意にあった瞬間、私は思い切り視線をそらしてしまった。
なんでこっち見てんのさぁ……!
「ちょっと千紘。聞いてる?てか大丈夫?顔、超赤いけど」
「へ、平気平気。で、グループどうすんの?」
首を傾げる凛に、無理やり話を振った。
動揺してる……心臓うるさい。
「うーん……それがさぁ、3人じゃダメらしいんだよね〜」
「え?」
「混合の場合は、男女それぞれ2人ずつ……だから、もう1人男子誘わなきゃなんだよねーうちら」
その言葉を聞いて、横にいる光波の顔を見上げた。
そっかぁ……あと1人の男子か……。
「なんだよ」
「え?」
「お前ずっと俺の顔見てんじゃん。なに?」
「あぁいや、光波はどの男子に入ってもらいたいのかなぁと思って」
光波の質問に答えると、少ししてから彼は口角をキュッとあげて、
私の後ろの方に視線を向けた。