【完】彼を振り向かせる方法
ん?なんだろ。
後ろの方に光波の仲良しさんがいるってこと?
私は光波の視線を辿って、座ったまま後ろを振り向いた。
「……翔がいい。翔のこと誘ってきてよ」
背中に届く光波の言葉に、硬直寸前の私。
……マジ?
「あぁ、うん。んじゃあ行ってくる……」
「違う。凛じゃなくて、千紘」
「へ……?」
凛が席を立とうとするのを止めて、振り返った私に視線を送る光波。
な……なんで私⁉︎
「待って!なんで私?」
「いいじゃん、お前翔と仲良いし」
なにかを企んでいるような笑みを見せつける彼を、私は思い切り睨みつけた。
「そ、そんなの光波が自分で行けばいいじゃんっ」
ワイワイと騒いで集っているカケちゃんたちの方を指差して言った。
「なんだよ。翔のとこに行けない理由でもあんのかよ」
「……っ」
勝ち誇った顔すんなぁ……!勝ち誇った顔!