【完】彼を振り向かせる方法




「異論は?」


「え、私は別にいいけどさぁ……」


「……まぁ、いいよそれなら」



凛とカケちゃんは順々に返事をしていく。



そして、光波の視線が私に向けられた。



こいつー……どうゆうつもり?



「千紘は?」


「……べつにないけど」



ふてくされたように言うと、彼はフンッと鼻で笑って私から視線をそらした。




「ねぇ光波。肝試しってさ、どうゆうの?ただ夜道を散歩するだけ?」



凛が光波に問いかけるのを聞くだけで、ブワッと鳥肌が立つ。



そうだよ、大事なのはそこ……怖さのレベル。



「んー、よくわからいけど、毎年クオリティ高いらしいよ。うちの肝試し」




…………神様。


勉強合宿の日は、どうか、風邪菌を私に運んでください。




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