【完】彼を振り向かせる方法
─────……
「もしもし、光波?」
『うん、なに?』
なんだその、明らかに電話くるの分かってました的な口調は……。
夜9時を回ったころ、自分の部屋で私は光波のケータイに電話をかけた。
もちろんその理由は、今日の光波の振る舞いについて。
なにを企んでるのかってこと。
だって、おかしいでしょ?
わざわざ人気者のカケちゃんを引き入れたり、
肝試しのペアで私とカケちゃんを組ませたり……。
「光波さぁ……なにか知ってるの?」
『は?なにかってなに?』
「だから……アレだよ。……ちゃんと私がその、 なにかあったとか……」
『主語はっきり言えや』
お、お前はヤンキーかっ。
「だ……から、カケちゃんと私の間にあったことです!!!」
部屋の中でお腹から声を出してしまった。
勢い余って、握っていたクッションを放り投げてしまうほど。