【完】彼を振り向かせる方法




─────……



「もしもし、光波?」


『うん、なに?』



なんだその、明らかに電話くるの分かってました的な口調は……。



夜9時を回ったころ、自分の部屋で私は光波のケータイに電話をかけた。



もちろんその理由は、今日の光波の振る舞いについて。


なにを企んでるのかってこと。



だって、おかしいでしょ?



わざわざ人気者のカケちゃんを引き入れたり、


肝試しのペアで私とカケちゃんを組ませたり……。



「光波さぁ……なにか知ってるの?」


『は?なにかってなに?』


「だから……アレだよ。……ちゃんと私がその、 なにかあったとか……」


『主語はっきり言えや』



お、お前はヤンキーかっ。



「だ……から、カケちゃんと私の間にあったことです!!!」


部屋の中でお腹から声を出してしまった。


勢い余って、握っていたクッションを放り投げてしまうほど。



< 168 / 401 >

この作品をシェア

pagetop