【完】彼を振り向かせる方法
「てかさぁ、坂下くんって絶対マヤのこと好きだよねー?」
「えー?全然そんな素振りないよ?」
「マヤは鈍感だな〜、超分かりやすくアピールしてんのに坂下」
そういえば、恋バナって私、中学の時からずっとこうやって聞き役だったな……。
恋なんて特にしてなかったし、ただただ、みんなの話す"好きな人"っていうのに憧れてた。
「てゆーか、誰だろうね。この学校で一番モテる男子って」
私が一人で思い伏せてるうちに、いつの間にかそんな話題に変わっていた。
ほんと私なにも喋ってないな……楽しいけど。
凛は?凛の声も全然聞こえないし……。
彼女の姿をうつ伏せのまま首を動かして探す。
いた……奥の方で一人で寝てるよ。
「えー?そりゃあ翔でしょ?」
ピクッ……
その言葉で凛に注いでいた視線は自然と、それを言ったユミちゃんにうつった。