【完】彼を振り向かせる方法
わかんねぇよ……。
お前には俺が一途に思ってること、伝わってなかったのかよ……。
中坊だった俺にはそんなことしか考えられなくて、
「穂乃香(ほのか)だって、男にチヤホヤされて喜んでたことくらい……あんだろ?」
そう言って、彼女を失った。
自分に落ち度があったなんて、これっぽっちも考えなかった、子供の俺。
バカだからわからなかったんじゃない。
人の気持ち、彼女の痛みが、なにも見えてなかった。
そう気づいたのは、上条千紘というクラスメートとよく話すようになってからだった。
俺は受験生だってのにとにかくやさぐれていて、
勉強なんて一切手につけなかった。
穂乃香のことがあってから、なにもやる気が起きない。
無色な毎日を過ごしていた。