【完】彼を振り向かせる方法
告白されたせい?それとも夜のせい?
「それにしても……なんで光波、俺とヒロチーのペアにしようとしたんだろうな」
列が進んだのと同時に、カケちゃんは前を見据えながら小さな声で言った。
カケちゃんの視線の先には、というか、ほとんど目の前にその光波と凛の背中がある。
要は、光波に聞こえないように小声で話してるんだけど……
「……っ、カケちゃん顔近いから……!」
そう、私の耳元に顔近づけすぎなのこの人。
おかげさまで、寒気を催していた身体の熱が一気に急上昇。
「なーに照れてんの?かっわいーなぁ」
そんな跳ねた言い方をして、彼は腰をかがめて私の頬をツンッと触った。
「か……からかわないでよもう!」
「ごめんごめん」
ペロッと舌を出してそう言ったカケちゃんには、たぶん自覚ゼロ。
私の頬に熱をもたせた自覚ゼロ。