【完】彼を振り向かせる方法
これだからカケちゃんは……
「はいじゃあ次は、城山&川崎ペア」
浮かれたことを考えているうちに、どうやら目の前の光波たちに順番が回ってきた様子。
クラス委員の子が二人になにかを説明をし始めた。
嘘でしょ……もう次の次ってこと?
そう理解した瞬間、いっきに喉がカラカラになった。
「へー……お化け役の人も一応いるんだ。そんで、奥の神社で署名すればいいってことか」
隣でふむふむと頷く彼は、前の2人への説明を盗み聞きしていたみたいで、
そりゃあもう、行く気満々だ。
「ヒロチー、ついでだから神様になんかお祈りしてく?せっかく神社まで行くんだし」
「……うん」
「クーッ、俺肝試しとか小学生以来だわ。微妙に怖いけどワクワクする」
このときの私には、彼の言葉も、光波たちが見送られたあとの景色も、
なにも見えてなかった。
とりあえず本当に、恐ろしすぎて。