【完】彼を振り向かせる方法




「どうしたの?」


なんか……声の感じとか、心なし、カケちゃんどこか焦ってるような気がする。


彼の顔を覗いてみてもなかなか応じてくれない。



「おーい、カケちゃーん」



下からそう呼ぶと、やっとハッと目を覚ましたような顔をした。


珍しいな……カケちゃんがこんな風になるなんて。

まるでいつもの私みたいだ。



「あ、いや……ごめん」


「ううん、どうかしたの?」


「ヒロチー俺さ、方向音痴なんだ」


「うん……え?」




質問の答えになっていないような……とゆうか、なんでいまそんな自己紹介みたいなこと……





「道、迷ったかもしれない」





< 211 / 401 >

この作品をシェア

pagetop