【完】彼を振り向かせる方法
「どうしたの?」
なんか……声の感じとか、心なし、カケちゃんどこか焦ってるような気がする。
彼の顔を覗いてみてもなかなか応じてくれない。
「おーい、カケちゃーん」
下からそう呼ぶと、やっとハッと目を覚ましたような顔をした。
珍しいな……カケちゃんがこんな風になるなんて。
まるでいつもの私みたいだ。
「あ、いや……ごめん」
「ううん、どうかしたの?」
「ヒロチー俺さ、方向音痴なんだ」
「うん……え?」
質問の答えになっていないような……とゆうか、なんでいまそんな自己紹介みたいなこと……
「道、迷ったかもしれない」