【完】彼を振り向かせる方法
*色気は"つける"もの
「あ……私…日本史一式、置いてきちゃったかも。」
凛と光波の間に挟まれて、いつも通り駅までの道のりを歩いている途中、
鞄の軽さに違和感を覚えた私は立ち止まって鞄の中身を確認した。
「……ない」
青ざめる私の顔を見て、
「え、どうすんの?」と心配する凛と、
「いーじゃん別に、明日も学校くんだし」と言って先に行ってしまう光波。
「テスト再来週なのにマズイよ!それに、日本史だけは手抜きたくないんだもん……!」
スタスタと前を歩いて行ってしまう光波に訴える。
そうなのだ。
中学の時から歴史が得意だったから、高校に入っても点数の取れる教科はちゃんと勉強しなきゃって思ってたし……。
「ごめん凛…、光波と先に帰ってて?私取り行って来る!」
「そっか、了解。じゃあまた明日ね」
「うん!また明日っ」
こうして凛と別れて私は学校に戻った。