【完】彼を振り向かせる方法
導いた答えは、きっと合ってる。
それで、私もそれを受け入れようとしてる。
うん、わかった。
私ね……カケちゃんと、キスしたいよ。
腰に回された方の手が、クイッと私たちの距離を縮める。
視線が交わって、彼も私も小さく微笑んだ。
そしてまた、どちらからともなく目を瞑る。
視界が遮られると、カケちゃんの香りがより一層、深く感じられる。
また……香水じゃないんだ。
けどこの香り、私一番好き。
今度は鼻先が触れ合って、彼は少しだけ首を傾けた。
さすが、慣れてるなぁ……。
この場に不釣り合いな感想を1つ心に秘めて、
今度は私もほんの少し首を反対に傾けた。
そうすれば、唇はこんなにも自然に重なるの。