【完】彼を振り向かせる方法
*私の決意と彼の宣誓
「そういえばさぁ、肝試しのとき何かあった?」
「えほっ……!え、えぇ⁉︎」
突拍子もない凛の言葉に、私は口に放り込んだばかりのグラタンを詰まらせた。
合宿が終わってから一週間後の今日、私と凛は映画を見終わった足でファミレスに来ていた。
夏休みで平日だからか、お客は私たちと同世代の人達しかいないみたい。
「な、なんでそんなこと……」
「だって千紘たちのペア、妙に帰ってくるの遅くなかった?あのとき。
聞くの忘れて今更な感じになっちゃったけどさ」
オレンジソーダに放り込まれた氷をストローでつつきながら、凛は言った。
肝試し……。
あの夜のことがある前は、その言葉を聞くと身震いしていたんだけれど、
今では……ただただ顔が熱くなるだけ。
勢い任せでも、あんな大人なキスをしてしまったんだから。