【完】彼を振り向かせる方法
…あれ、ロッカーにないってことは机の中かな。
教室前の廊下にある鍵付きのロッカーを閉めて、
教室の扉を開いた。
「あ」
「…お」
廊下側から三番目、前から二番目の席に座る人物とパチッと目があった。
「なにしてるの?」
私はその人のもとに足を運んで様子を伺う。
どうやら何かを書いているようだ。
「俺、今日当番なんだよね。コレ日誌」
「なるほどねぇー…」
持っているシャーペンでその日誌を指すように私に見せているのは、
カケちゃんだった。