【完】彼を振り向かせる方法
だけど、それでも、誰かに言ってしまいたいくらいに気持ちは大きくなっていたんだ。
「私、ちゃんとしようと思う」
「……ん?」
「先輩のこと……。
雛水先輩に自分の気持ちを伝えて、それからカケちゃんに告(い)おうと思う」
凛の目をしっかりと見つめて、決心を固めた。
「うん、頑張れ!千紘」
凛の笑顔が咲いて、私も思わずつられて笑う。
はやく、カケちゃんに伝えたい。
いますぐにでも、彼のぬくもりに触れたい。
気づかないうちに、先輩への気持ちを飛び越えちゃうほど……
私はカケちゃんのことが好きになってたんだね。
「よっし!気合入れていきますか!」
ファミレスに響くくらいに大きな声で、私は言った。