【完】彼を振り向かせる方法
【翔Side】
俺の目の前の丸テーブルに、コトンとコーラの注がれたグラスが乗せられた。
「これしかないけど、いい?」
そう言って、俺と向かい合わせの場所に座ったのは、
同じクラスの小柄な男子、城山光波。
「ん……サンキュ」
てか炭酸飲めないんだけどねー、俺。
まぁ、出してもらって文句も言えないしな。
唇にグラスを近づけて、ほんの少しコーラを口に含んだ。
ダメだ、このパチパチした感じ。
「で、話ってなに?」
全く量の減らないコーラをテーブルに戻しながら、俺は聞いた。
俺がこの光波の家に来たのは、隣町のコンビニで偶然会った光波に
『翔、話があるんだけど……うち来て』
と、レジが終わった直後に言われたからだ。
断る理由もとくになかったし、暇だったからいいんだけどさ。