【完】彼を振り向かせる方法
まぁ……ここで宣言したからには、ちゃんと決着つけるべきだよな。
肝試しのときのキスで、俺の理性もかなりやられてたし。
最初は触れるだけのつもりだったのに、危うく舌まで滑り込ませてしまうところだった。
ギリギリセーフだったけど。
……いや、アウトか?唇を重ねた時点で。
あのあとお互いに気まずくなっちゃったんだよな、そういえば。
はぁぁ……もっとしっかりしろよ、俺。
思い出すだけで顔から火が噴き出しそうだ。
他の女の子には失礼だけど、全然違う。
ヒロチーに抱きつかれたときは、息が止まりそうになった。
見つめたまま近距離で微笑まれたときには、そのままどこかへ連れ去って……
って、やべ……俺も普通に、健全な高校生男児なんだな。
とりあえず、キスの内容は光波に黙っていた方が良さそうだ。
ぶっ殺されそう。
「千紘のこと頼む、本気で」
さっきまでのツンツンぶりはどこへやら。
光波は目の前で小さく頭を下げていた。