【完】彼を振り向かせる方法
羨ましいよ、ヒロチー。
光波は見かけによらず、超がつくほどの友達思いだよ。
……マジいい奴。
「俺、あいつが散々、あのクソ彼氏のせいで悩んでるの見てきたんだ。
千紘は平気な顔して俺のからかいに応えてたけど、
きっと不安だったと思う」
「……うん」
「千紘が好きな奴なら誰でもいい。
けど、あいつが幸せにならないと意味がない。
まぁ……決めるのは俺でも翔でもなくて千紘自身だし、
翔が振られたらそれはそれで仕方ないけどな」
おい、最後に釘刺すなよ。
「頑張れよ。俺は、あの先輩よりお前の方が好きだから」
「はいはい……頑張りますよー、光波くんの仰せのままに」
俺はテーブルに手をついて、立ち上がった。