【完】彼を振り向かせる方法
けどそっか。
ヒロチーの親友……いや、保護者が認めてくれてんなら、多少なりとも力になるわ。
「んじゃあ、帰るわ。母ちゃんたち帰ってくんだろ?そろそろ」
「うん、もう5時だしね」
光波はテレビの真上に掲げてある時計を見上げて言った。
男同士で長話も、悪くないか。
しかも恋バナ?
……レアだなかなり。
こっそりそんなことを思い伏せながら、玄関に向かう。
「じゃあな、また新学期」
「ん、そんときにはいい報告を期待してる」
手を軽くあげてそう言い、光波は俺を見送った。
「コーラ、全然飲んでねーし」
そのあと光波は誰もいなくなった部屋の真ん中で、ボソッと小さく呟いていた。