【完】彼を振り向かせる方法




今思うと、あのときのカケちゃん……ほんとなんか可愛かった。



『い、いや、別に変な意味じゃなくて!その……宿題終わってねぇの、俺』



「え……?」



『だから、ヒロチー先生に教えてもらえないかなぁと思ってさ……どぉ?』









────……



と、いうわけで……ここにいるんです私。



「か、上条千紘と申します……あの、その、翔くんはいらっしゃいますでしょうか……?」



まぁ……案の定、緊張しまくり。



蝉の声が降り注ぎ、太陽もカンカン照りだというのに、


なぜか冷や汗をかいて鳥肌を立たせている。



それもそのはず、私は大きな決心をしてこの場所に来たんだ。



勉強会といえども、カケちゃんと二人きりで会う機会……


だから、今日告白するって決めてきたんだ。



そのため、洋服もカケちゃんに買ってもらった黄色のシフォンワンピ。


お風呂に入り直して、ムダ毛の処理だってちゃんとしてきた。


髪の毛もコテを使ってゆるふわに……。




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