【完】彼を振り向かせる方法
「だってカケ兄とキスしてたんだよこの人!」
虹太くんがお姉さんであろうその女の子に反論しながら、私のことを指差した。
「え、えぇ⁉︎」
そういえば、さっきもそんなこと……。
もしかして、カケちゃんが私の顔を覗いたときにそう見えたのかも。
虹太くんたちのいるリビングは、ちょうどカケちゃんの真後ろにあったから。
「こんなとこでしねぇよバーカ。
ごめんねヒロチー、俺の部屋でいい?……つーか謝んなきゃなんないことが」
「なんだよ!バカって言ったやつはカバになるんだぞ!」
「あーもう、わかったよ。翼、あとはよろしくな」
「はーい。ほら虹太、マリカー途中でしょ。行こ」
すごい……思わず聞き入ってしまったけど、
カケちゃんってほんとにお兄ちゃんなんだなぁ……。