【完】彼を振り向かせる方法
少し視線を横にずらすと、次は本棚。
私服はメンズモデルを思わせるほどのセンスだっていうのに、
ファッション雑誌とかは一つもなさそう。
だって、あの本棚に入ってる中で一番背の高いやつ、
私も知ってるゲームの攻略本なんだもん。
あとはほとんど漫画……かな?
もう少し視線をずらすと、次は音楽プレーヤーだ。
ウォークマンと連結させて聴けるやつ。
私も似たようなのを持ってるから知っている。
カケちゃんはどんな曲、聴くのかな……。
「あのさぁ、ヒロチー……」
「ん……え?な、なに?」
うっとりと彼の部屋を嗜んでいた私は、ハッとして視線を声の方に向けた。
う……やばい、部屋に入って早々、ジロジロ部屋を見渡すなんて失礼だったかな……。
「その、恥ずかしいから……あんま見ないでおいて。
わざわざ目に付くところに置いたりはしないからさ……」