【完】彼を振り向かせる方法
鼻の辺りを指で触って、俯きながらカケちゃんは言った。
頬はチークをつけたようにピンク色に染まっている。
え……?照れてるの……?
それに、目に付くところに置いたりしないって……なんのことだろう。
「翔、お前なに赤くなってんの?きもいよ?」
尻無浜くんはそう言った。
クスクスと笑ながら、カケちゃんの反応を楽しんでいるような感じで。
「バッ……!うるさい!」
彼の言葉に、カケちゃんはますます頬を赤くさせる。
そしてポカンッと彼の腕を拳で突いていた。
「いってぇなー。本気で殴んなよ〜」
本当に痛そうな感じで、カケちゃんを横目で睨みながら腕をさする尻無浜くん。
口を尖らせているあたりは、少し子供みたいだけど。