【完】彼を振り向かせる方法

「つーか……上条さん、分かってないんじゃねーの？」


「……え？」



尻無浜くんは少し挑発するような目で私を見た。


何かを楽しんでるような……そんな感じで。




「翔の言ってること」



ニヤリ。


まさにその言葉がピッタリ、というように彼の口角が上がった。



「……しなしーお前、余計なこと……」


「翔が真っ赤になってるのはなんでか、わかる？」



今度はカケちゃんの顔を横目に捉えながら、そう言った。


私もつられてカケちゃんを見ると、また、みるみるうちに彼の頬は赤く染まっていった。



一瞬目が合っても、フイッと私から視線をそらすカケちゃん。


これはもしかして……照れ隠し？




「翔は、上条さんがアレを探してると思ってたんだよなぁ？」



グイッと尻無浜くんがカケちゃんの肩を引き寄せて、またニヤリと笑った。




「……アレ？」