【完】彼を振り向かせる方法
首をかしげながら、尻無浜くんの腕を引き離そうとしているカケちゃんに目を向けた。
「ほら、やっぱし分かってないよ。翔くんの早とちり~」
「やめろよバカ!」
尻無浜くんがカケちゃんの頬をツンッと突っつくと、
カケちゃんはそう言って、すぐさま尻無浜くんから離れた。
顔を赤くさせて俯くカケちゃんとは裏腹、目の前の彼は終始ニヤついている。
「んだよ……ヒロチーてっきり……」
「エロ本探してると思ってたんだよなぁ~?」
え?
カケちゃんが言葉を濁らせていると、尻無浜くんは横入りしてはっきりとそう言った。
ほらまた、活き活きした顔してる。
「え……私が?」
私がそう言っても、まだカケちゃんは口をとがらせて、暴露してしまった尻無浜くんを睨んでいる。
「まぁまぁ年頃の男の子ですから、一人前のプレイボーイでも」