【完】彼を振り向かせる方法
プレイボーイ……。
久々に耳に響いたその言葉は、私の胸をチクリと刺した。
「違うだろ!あれはこの前しなしーが持って来て置いてったんじゃん!」
「え~?けどいらなければ断りゃいいじゃん?」
「なっ……俺いらないって言っただろ!?」
「あぁ~?そんなこと言ったっけ?」
私が沈んでいることなんて、おかまいなしに繰り広げられる2人の会話。
カケちゃんは、ときどきこちらをチラッと気にしながら、そして真っ赤になりながら言葉を交わしている。
こんな必死なカケちゃん、初めて見たかも。
言い争いをしているはずなのに、2人の仲の良さを痛感してしまう。
波長が合っているっていうか、いつも一緒にいる理由が分かる気がする。
「なんだよお前、上条さんにバレるのそんなに嫌だったわけー?」
ずっと同じ言葉で抵抗し続けるカケちゃんへ、尻無浜くんは追い打ちをかけるようにそう言った。