【完】彼を振り向かせる方法
こんなところで期待するなんて……まだ、気持ちも伝えてないのに。
バカだな、私。
「違うの?んー、じゃあ……いつものアレ?遊び仲間?」
尻無浜くんは言葉を並べて首をかしげた。
違うって、信じていてもざわつく心。
あのときのキスは、絶対に遊びなんかじゃないって……そう思っていたはずなのに、時が経てば経つほど募る不安。
だけどそんな不安が、カケちゃんへの好きを実感させる。
しょうがないよ、だって……大好きなんだもん。
「違う。俺が勝手に好きなだけ」
今度はハッキリと響いた、カケちゃんの声。
それと同時に加速し始める鼓動。
「……は?それって本命ってこと?」
「うん。つーか中学のときからマジで好き」
尻無浜くんの言葉に迷いなく頷くカケちゃんを、そっと見据えた。
え……?中学のとき、から……?