【完】彼を振り向かせる方法
そう思うのと同時に、フェードアウトしていくさっきまでの不安。
本当に、私のこと……そんなに前から?
半分放心状態の私は顔を熱くさせるだけで、なにも言うことはできなかった。
「へぇ~……なるほど、翔がねぇ~……」
「つーか、早く宿題やんないと終わんないっしょ……俺もしなしーも。そのためにヒロチー来てくれたんだし」
「あー、そうっすね。じゃあ上条さんよろしくー」
「じゃ、俺ちょっと下にジュース取り行ってくる」
「ほーい。いってら」
そんな会話にも気付かなかった私が我に返ったのは、カケちゃんが部屋を出て行った頃だった。