【完】彼を振り向かせる方法
「わかったよもー……」
私は渋々、鏡ごしのお姉ちゃんに了解して洗面所をあけた。
朝は5分でも時間が惜しいのに……!
年功序列という家のルールを悔やみながら、朝食の前に座った。
お姉ちゃんは高卒の会社員。
3歳しか違わないのに、とても大人っぽい。
容姿も整っているからか、私が中学の時に見ていたお姉ちゃんの制服姿はいまの私より数倍輝いていた。
女子高生に憧れを抱いた要因は、少なからずこの姉にあったと思う。
そのくらい、似合っていた。
比べて私といえば、童顔で平凡だし。
運動神経だってお姉ちゃんみたいによくないし。
ただ、そんな私が彼女に唯一勝っているものがある。
それは勉強だ。