【完】彼を振り向かせる方法
「し、尻無浜くん!」
「……ん?」
考えの果て、私は立ちあがろうとする彼を呼びとめた。
「あの、宿題終わらないようならその……明日の朝とか、早めに来て手伝おうか……?」
すると彼は、どうしてかカケちゃんを一瞥して
「いや……大丈夫。一夜漬けでなんとかするよ。ありがとね」
とだけ言って、リュックを背負い部屋を出てしまった。
本当に大丈夫かな……。
「ちょっとあいつ玄関まで送ってくるね」
一人思い伏せていると、カケちゃんは私の頭をポンッとなでて部屋を出て行った。
「あ……うん」
返事は完全にフライング。
だって……いきなり頭触ったりするんだもん。
熱が足の先まで下りてくるのと同時に、私は大事なことを思い出した。
今日ここに来たのは宿題を教えるため……だけど、
裏目標は、カケちゃんに告白するため。