【完】彼を振り向かせる方法
高鳴る鼓動を感じながら、私も頬を赤らめる。
言いたい。
カケちゃんのことが、大好きだって。
「カケちゃん、私ね……昨日、別れたんだ」
「え……」
いきなりのカミングアウトに、目の前で目を見開くカケちゃん。
私は今にも壊れそうな心臓を抑えながら、話を続けた。
「先輩と、別れたんだ」
「それって……」
「うん……私、カケちゃんのことが好きだから」
驚く彼の表情を見つめながら、そっと笑ってみた。
真剣な顔をするのも、弾ける笑顔も、なんだか不釣り合いなような気がして。
「カケちゃん、私と付き合って下さい」
私がそう言っても、なぜかカケちゃんは放心状態のまま。
あれ……聞こえてなかったかな……?