【完】彼を振り向かせる方法
「あの、私と付き合っ……!?」
ちょ、ちょっと待って……。
「んっ……」
なに、なに、なにこれ!?
「カ、ケちゃ……ん!?」
いつの間にか私は、彼に後ろ首を捕まえられ、顎を持ち上げられ、唇を重ねられていたんだ。
いや、重ねるというよりもコレは……。
「……っ」
何度も何度も、空気を閉じ込めるように唇を塞ぐカケちゃん。
チュッ、チュッ……。
静まり返った部屋の中で響く、私と彼のリップ音。
後ろで私の髪の毛をクシャッと握る、カケちゃんの仕草。
角度を変えては唇を吸う、甘いキス。
「ん……」
最初は戸惑っていただけなのに、今は……。
「ごめん……調子乗った」
しばらく経って、唇が離れるのと同時に、カケちゃんは私とおでこを重ねながらそう言った。