【完】彼を振り向かせる方法
「あーいうキス……また、してね」
「へ?」
「大好き……」
私はそう呟いて、カケちゃんの肩の上に頭を預けた。
……といっても、これは後々カケちゃんから聞いた話。
私がハッキリ覚えているのは、キスをした直後までのこと。
それ以降はあんまり覚えてない、正直。
意識を失った私が目を覚ましたときにはもう、7時を回っていて、
カケちゃんのお母さんからご飯をごちそうになってしまった。
そうそう……保育園から帰ってきた、弟くんたちと妹ちゃんたちに
『カケ兄のお友達~?それともカ・ノ・ジョ?』
なんてからかわれた私たち。
それだけでも十分恥ずかしいっていうのに、カケちゃんってば……
『彼女だよ、わかるか?兄ちゃんのことが大好きなんだって~』
なんて言い出して、からかっているんだと思ったら……
子供たちが騒いでいる隙を狙って、私に耳打ちしてきたんだ。
『まぁ……俺の方がベタ惚れだけどね?』
そう言って。