【完】彼を振り向かせる方法
*必要な人【翔Side】
「ねぇねぇ、キミどこから来たの~?」
「超イケメンじゃん!髪の毛もいい色してるし」
ファンデーションの粉っぽい匂いに、俺は一瞬だけ顔を歪めた。
ここはある学校の校門前。
人を1人そこで待っていたら、なんか集られた。
「俺イケメンなの?」
クスッと笑うと、3人いる派手めな女の子たちは首を大きく縦に振った。
この子たちが着ている制服は、名門進学校『春桃高校』のもの。
うちの学校は細ラインのチェックだけど、ここのは灰色ベースのシンプルなスカート。
これヒロチー着たら、可愛いんだろうなー……。
「んーじゃあ、そのイケメンの人探し、手伝ってくれない?」
変態フラグが立ったところで、目の前の彼女たちにウインクをお見舞いした。
はぁぁ……ウインクとか、何しちゃってんだよ俺。
「いいけど、誰探してんの?てゆーかその制服、豊桜のでしょ。名前教えてよ」
「なんか、雛水って人。名前はね、大地くんでーす」
名前ってゆーか、苗字だけど。まぁ許せ。