【完】彼を振り向かせる方法
けど、あの声を間近で受け止めている雛水さんはもっとすげぇ。
つーかもしかして……。
「ごめん忘れてた。行こう」
「行こうじゃないでしょ!?大体今日はね、私の誕……」
「わかった。今日家泊っていいから」
「は?何その流れ。まぁいいや、パジャマ貸してね」
何その流れ……って、尋ねたいのはこっちなんすけど。
なんでそんなストレートに泊りなんて言葉がでるんだよ。
「あのー……雛水さん、もしかしてその人さっきの……?」
「うん。幼なじみ」
へぇ……なるほど、好きな女って幼なじみだったんだ。
泊りもあるか。普通の男女に比べれば、まぁ。
「さっきのって何?てゆーかキミ誰?」
俺たちの会話を聞いていた彼女は、
ビシッと目玉をぶっ刺すような勢いで、俺に指の先を向けてきた。