【完】彼を振り向かせる方法
「だ……ダメだよ、学校でそんな……」
「ココじゃなかったら……したい?」
私が少しのけぞると、子犬みたいな瞳で首をかしげるカケちゃん。
「……したい」
なんてそう言った瞬間、顔の中心に一気に熱が集まった。
恥ずかしい……。
自分で言ったくせに、今更なに照れてるんだろう。
私は思わず、真っ赤になった顔を俯かせた。
「はは、ヒロチー素直だなぁ」
私の頬に触れていた手で、彼は口元を押さえながら笑った。
そして、フーッと一息ついたあとで、
「うん……俺も、したいよ」
そう言った。
「えっ……」
私は俯かせていた顔を上げて、カケちゃんを見る。
すると、彼は優しく微笑んで、また私の頬に触れた。
そのまま、端正な顔がゆっくりと近づいてくる。
学校でキス、なんて……。
恥ずかしいけど、でも……私もカケちゃんに、触れたいよ。