【完】彼を振り向かせる方法





────……


「なるほどねー、大地くんの元カノは穂乃香ちゃんだったのかぁ」


翌日の放課後、私はさっそく凛たちに穂乃香ちゃんのことを話した。


教室の中に残っている人はわずかで、カケちゃんも用事があるので帰ってしまったところ。


2人はこのあと実行委員会のある私に付き合って、話を聞いてくれているんだ。




「で、お前はなんでそんなに落ち込んでんの?」


いつまでも机に伏せたままの私に、光波は首を傾げた。



こんなに冷たく言葉を浴びせてくるくせに、カケちゃんと付き合うと伝えたとき、

なんだかんだで一番喜んでくれたのは、光波だったな……。



「だって……可愛すぎるもん」


そんな少し前の出来事を思い出しながら、私はゆっくりと身体を起こした。



「……は?」


光波は立ったまま眉をひそめて、私の顔を覗きこむ。



「可愛すぎて羨ましいんだもん……!」



光波に反抗するように、大きな声を出す私。



その瞬間、水を打ったように、教室の中は静まり返った。


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