【完】彼を振り向かせる方法
幸い、ここにいる人数は少なかったんだけどね。
「そっか、千紘は穂乃香ちゃんみたいに可愛くなりたいの?」
「……なりたい」
凛に優しく問いかけられて、私は俯きながら、今度は小声で答えた。
周りもだんだんと話を再開し始める。
そんな中で、光波はため息を一つついた。
「お前さぁ……翔の元カノに負けると思ってんの?」
そして、両手を腰に当てて言ったのがコレ。
背が低いから、生意気な子供にすら見えてしまう。
そりゃあ……あんなに可愛い子が前の彼女だったなんて知っちゃったら、自信なくなるよ。
昨日も、一緒に帰ってくれてすごく幸せだったけれど、
カケちゃんの笑顔にどこか、今までと違ったぎこちなさを感じてしまった。
それはきっと、穂乃香ちゃんが再びカケちゃんの前に現れたから。
今までは、学校内でも彼女と会うことを避けてたんだ。
だから…………