【完】彼を振り向かせる方法
翌日――――……
『え、ヒロチー?』
インターホンから響く、カケちゃんの驚きに溢れた声。
休日の今日、私はお昼を終えてから、彼の家に訪れていた。
あの話を聞いた後、無性にカケちゃんの顔が見たくなったんだ。
何かをしにきたわけじゃない。
ただ、カケちゃんに会いたいって……それだけ。
ガチャ……。
「おはよ」
目の前の扉が開いて、彼の顔が覗く。
昨日学校で会ったっていうのに、ものすごく久々な感じがする。
そして嬉しい半面、なんだかちょっと胸が苦しい。
―――『翔ってさぁ実は、キスされるのすっごく弱いんだよ』
穂乃香ちゃんの言葉が、蘇る。
やだなぁもう……私って本当に、嫉妬深いんだな……。