【完】彼を振り向かせる方法
え?
そう声をあげる隙もなく、
私はただ強引に……だけどゆっくりと、カーペットの上に寝かされた。
「キス……してもいい?」
「あ……」
いい?なんて尋ねたのに意味はなくて、
カケちゃんは「ごめん」と一言残したあと、私の身体に覆いかぶさった。
「っ……」
髪を撫でながら、そのまま唇を寄せて音を響かせる。
そんな動作一つ一つに違和感なんて全く無くて、器用だなぁとつくづく思い知らされる。
「好きだよ」
唇が離れた合間に、小さく呟くカケちゃん。
きっと、どんなに不安になったって、この言葉に全部もっていかれちゃうのかも。